8月18日 ウェルテル

幸福というものが同時に不幸の源にならなくてはいけなかっただろうか。

 

はつらつたる自然を見てぼくは心にあたたかいあふれるばかりの感情をいだいた。

 

ぼくは歓喜に燃えてこの感情の中に身を浸し、周囲の世界を天国のように思いなしたのだが、現在ではこの感情がどこまでもぼくにつきまとう悪霊となり、堪えがたい拷問者となる。